ICS SAKABE Industrial Control Solution

お知らせ

News

ファナックアカデミの講習内容とは?費用や講習場所も解説

ファナック製の産業用ロボットを操作するときには、企業やメーカーなどが主催する講習を受けなければなりません。誤った操作方法で、産業用ロボットを動かしてしまうと非常に危険で大きな事故に繋がります。

ファナック製の産業用ロボットを扱う場合は、実技でファナック製ロボットを扱っている研修所で講習を受けるのがおすすめです。

この記事では、ファナックアカデミの講習の内容や申し込み方法、研修を受けるときの服装を解説します。この記事を読めば、ファナックアカデミの講習を受けるときの不安や疑問が解決でき、安心して講習に臨めるでしょう。

ファナックアカデミの講習内容とは?

ファナックアカデミの講習とは、ファナック製の産業用ロボットの操作や検査をするためのものです。産業用ロボットを操作したり保守したりするには、労働安全衛生法に基づいた安全特別教育を受講する必要があります。産業用ロボットは高性能ですが、操作方法やメンテナンスを誤ると、死亡事故といった大きな事故を引き起こす危険があるからです。

経済産業省のデータによると、世界の産業用ロボット販売台数は、2013年から2017年の5年間で2倍に増加しており、2017年度以降も販売台数は右肩上がりとなっています。また世界のロボットの6割弱が日本メーカー製です。

今後ますます、産業用ロボットを操作・メンテナンスする機会が増えると予想されるため、産業用ロボット関連の事故が増える可能性があります。ファナック製を含む産業用ロボットを安全に操作・メンテナンスし、事故を防ぐためにも講習の受講は必須です。

ファナックアカデミの講習の選び方

ファナック社製ロボットを用いた安全特別教育を受講できる施設は全国各地にあります。受講を開催する団体や施設によって、受けられるコースや価格が異なるため、自分に適した講習を申し込みましょう。施設の種別や主なコース内容をご紹介します。

受講する団体・施設から選ぶ

産業用ロボットの安全特別教育が受講できる施設は大きく分けて企業、ロボットメーカー、協会の3種類があります。

施設特徴
労働基準協会連合会受講費が安価。学科のみ開講しているところが多い
企業ロボット教育事業をメインとしておこなっている企業もあるため、講習の種類や回数が多くスケジュールが組みやすい
ロボットメーカー産業用ロボットメーカーが実施する。メーカーによって導入企業の従業員のみ対象としていることもある。費用が高額

労働基準協会連合会は全国各地に支部があるため、自宅や勤務先から通いやすいのがメリットです。ただ、学科のみ開講しているところが多く、実技は別途メーカーにて受講する必要があります

産業ロボット教育を独自で開講する企業では、受講者のニーズに合わせてさまざまな産業用ロボットを揃えており、講座スケジュールも充実しているのがメリットです。しかし、メーカーではないため、企業によっては職場で導入している産業用ロボットが用意されていない場合も。受講前に実技で使用する産業用ロボットが、職場で導入しているものと同じかどうかを確認しておきましょう。

メーカーでは、職場で導入している産業用ロボットを用いて実技ができます。講習内容が充実しており、産業用ロボットの操作方法をしっかり学べるのがメリットです。一方で、受講料が高額であり、講習はメーカーの所在地で開催されることが多いため、場合によっては移動が発生します。

受講するコースから選ぶ

産業用ロボットの特別教育には、教示コースと検査コースの2つのコースがあります。

コース名内容
教示コース産業用ロボットの動作や位置を指定するプログラムを作る方法を学ぶ
検査コース産業用ロボットの修理や調整・作業の確認などのメンテナンス方法を学ぶ

どちらのコースも学科と実技があり、特別教育を修了するには教示は10時間以上、検査は13時間以上の受講が必要です。検査コースでは、産業用ロボットの内部構造や部品の種類などの知識も必要となるため、教示コースよりも講習時間が長くなります。

ファナックアカデミの研修コースと費用

産業用ロボットメーカーのファナックでは、本社にファナックアカデミと呼ばれる研修施設を併設しています。ファナックアカデミでは、多種多様なコースが用意されており、全国から多くの技術者が研修に訪れます。今回は産業用ロボットの操作やメンテナンス方法が学べる、ロボット課のコースを確認してみましょう。

教示・操作

ファナックアカデミでは、産業用ロボットの教示・操作を学べるコースが3つ用意されています。それぞれのコースの内容や料金は次のとおりです。

コース名内容講習の日数料金
ロボット操作初心者コースロボットの基本操作と教示を時間をかけて学べる3日間88,000円(税込)
ロボット操作短期習得コースロボットの基本操作と教示を短期間で学べる2日間55,000円(税込)
ロボット教示・操作基本コースロボットの基本操作とマテハンを中心としたプロブラミング方法を学べる4日間110,000円(税込)

産業用ロボットの教示・操作を学べる3つのコースのいずれかを受講すると、産業用ロボットの教示に関する安全特別教育受講の修了証が発行されます。

保守

ファナックアカデミでは、産業用ロボットの保守を学べるコースが2つ用意されています。それぞれのコースの内容や料金は次の通りです。

コース名内容講習の日数料金
ロボット保守コースロボットの点検・保守の知識と技能を取得できる。4日間110,000円(税込)
ロボット操作・保守コースロボットの教示・操作方法と保守をまとめて学べる。5日間165,000円(税込)

ロボット保守コースを受講すると、産業用ロボットの検査等に関する安全特別教育受講の修了証が発行されます。なお、ロボット保守コースを受講するには、先に教示・操作の研修を受講する必要があるため、覚えておきましょう。

ロボット操作・保守コースを受講すれば、産業用ロボットの教示に関する安全特別教育受講の修了証と検査等に関する安全特別教育受講の修了証が発行されます。

オフラインプログラミング

ファナック製ロボットシステムのレイアウト作製からオフラインプログラムの作成方法の知識・技術の習得を学べるコースです。ファナック社が提供する、産業用ロボットのプログラミング・シミュレーションソフト「ROBOGUIDE」を使用して学びます。

ロボット教示・操作コースを受講済みで、ロボットの座標系を理解している方を対象としており、条件に満たない場合は申し込めないのでご注意ください

コース名内容講習の日数料金
FANUC ROBOGUIDEコースロボットのオフラインプログラムの方法を学べる3日間99,000円(税込)

知能化

ファナック社製ロボットは、精度の高い独自のビジョンセンサや力加減を制御する力センサなど、知能化技術を搭載した最新の産業用ロボットも提供しています。知能化技術を搭載したロボットは細かい教示・操作が必要なく、自動で位置補正や力加減の制御をしてくれるのです。

ファナックアカデミでは、これら最新ロボットの操作方法やメンテナンス方法を学べるコースも用意されています。

コース名内容講習の日数料金
iRVision 2次元補正基本コース2次元ビジョン付きロボットの運用方法を学べる2日間55,000円(税込)
iRVision 2次元補正応用コース次元ビジョン付きロボットを有効活用する方法を学べる。2日間55,000円(税込)
iRVision立体センサコースロボットコントローラ内蔵ビジョンセンサ iRVision立体センサの運用と活用およびセットアップ方法を学べる4日間110,000円(税込)
ビジュアルトラッキングコースビジュアルトラッキング機能を使用して、ロボットにコンベアの流れに合わせて取り出しを行わせるための知識を学べる。iRVision 2次元補正基本コースを受講済みの方対象。5日間132,000円(税込)
力センサコース力センサ付きロボットを使用して、高度な機械部品組立て作業およびバリ取り作業や研磨作業の自動化を行う方法を学べる2日間55,000円(税込)

これらすべてのコースは、ロボット教示・操作コースを受講済みで、ロボットの座標系を理解している方を対象としています。条件に満たない場合は申し込めないのでご注意ください。

ファナックアカデミの講習の流れ

ファナックアカデミで開催される講習の申し込みは、オンラインまたは、FAXで受け付けています。必要事項を記載して、送信しましょう。

申し込み時に既に満席となっているコースでも、キャンセル待ちの申し込みが可能です。キャンセルが発生した際には、記載したメールアドレスに連絡が来て、簡単な手続きのみで申し込みが完了します。なお、キャンセル待ちの申し込みは、オンライン申し込みのみ受付可能です。

また、ファナックアカデミでは、遠方から受講する参加者のためにゲストハウスを完備しています。講習中は1泊5,500円で泊まれますので、必要な方は申し込み時にゲストハウス利用も申し込みましょう。

ファナックアカデミ講習は、対面式講習会となっておりベテラン講師による説明と実機による実技がおこなわれます。実技では、安全確保のため作業着と作業帽の着用が必須のため忘れないようにしましょう。詳しくはファナック公式サイトをご覧ください。

ICS SAKABEは九州・福岡で産業用ロボットの特別教育を開催中

ICS SAKABEは九州・福岡にあり、複数の産業用ロボットをつなぎ合わせて設定する技術を保有している会社です。これまでさまざまな産業用ロボットを組み合わせて、設定してきたノウハウを生かし、産業用ロボットの特別教育を実施しています。ICS SAKABEで受けられる産業用ロボットの特別教育は次の通りです。

コース名内容日程時間費用
教示コース産業用ロボットの基礎知識・教示に関する知識など2日間9:00~16:3037,400円(税込)
教示+検査コース産業用ロボットの教示・検査作業に関する知識など2日間8:30~19:0042,900円(税込)

実技で使用する産業用ロボットは、安川電気社製とファナック社製の産業用ロボットを用意しています。ただ、2023年11月時点でファナックス社製の産業用ロボットは調整中のため、受付がストップしている状態です。

ファナックス社製の産業用ロボットで講習を受けたい場合は調整中が解除されたかどうか、公式サイトでご確認又は当社に直接お問い合わせのうえお申し込みください。

まとめ

ファナック製の産業用ロボットを操作・検査するには、労働安全衛生法で定められた安全特別教育を受講しなければなりません。安全特別教育は、全国各地にある労働基準協会や企業、ロボットメーカーで受講できます。

施設によって、講習内容や受講期間、価格が大きく異なるため、講習を受ける時には、勤務先と相談しながら決めるとよいでしょう。ただ、自宅や勤務から近い場所で、勤務先で導入しているロボットを用いた安全特別教育を受講したいのであれば、企業での講習がおすすめです。

ロボットセンター検索を活用し、ファナック製の産業用ロボットを活用した講習を開講している企業を探しましょう。

一覧に戻る